タヌキノショクダイ

ヒナノシャクジョウ科 タヌキノショクダイ属



常緑樹林内の落葉の下に生える腐生植物で、高さは1〜4センチ。落葉の下の根茎から花茎を立て 、頂部に1花を付ける。
花は白色で壺形、3枚の内花被片が壺の上で合着し、ドーム状の構造になる。雄しべは6個で、花筒部の内側に付く。花は終盤には黄色い部分より上が落ち、燭台の形となる。花期は7〜8月(本画像の撮影は6月)。

静岡県、和歌山県、徳島県、九州南部に分布するとされているが、一部では消えたとの情報がある。
超稀少種。


−同じ科の植物−

2012年 観察地は公表しません


花の撮影を始めた当初より見たいと思っていましたが、この植物の事情を知るにつれ、見ることは絶対に出来ないとあきらめていました。
それが縁あって観察の機会を得ました。まずは、いつもご一緒頂く花仲間、大学関係者、そして現地の方々にお礼を申し上げます。

この地では植物愛好家のグループがあり、情報を交換し合って植物観察と調査を行っています。タヌキノショクダイは、そのグループの女性連が発見したということで、ここでも女性の観察力に敬意を払うことになりました。

2日間に渡りその女性連と一緒に花観察しましたが、植物に対する好奇心には目にみはるものがありました。これならば、タヌキノショクダイを見つけ出したのも納得できます。
それぞれの方々を拝見すると、目は輝き、まるで小学生の頃の顔が思い浮かぶような純真なお顔です。
いい方々にお会いできました。タヌキノショクダイに出会う以上の収穫です。
ありがとうございました。


手前の個体には虫が入り込んでいました。
(画像にポインターをおいてください)

花の上部の穴から虫が入り込み、花筒部の内側にある雄しべの葯を下方にある雌しべに受粉させるようです。
  2012年    
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