ウメガシマテンナンショウ

サトイモ科 テンナンショウ属

 
2012.5.20 静岡県富士山麓   2012.5.20 静岡県富士山麓

林内などに生える多年草で、高さは80センチほどになる。雌雄偽異株。鞘状葉や偽茎部は淡褐色で、斑はやや赤味が強い傾向がある。葉は2又は1個で、偽茎部は葉柄部よりはるかに長く、開口部は襟状に広がる。葉身は鳥足状に分裂し、小葉は7〜15枚で、披針形〜狭楕円形、しばしば細鋸歯がある。
花序柄は葉柄部とほぼ同長又は長い。仏炎苞は葉身よりやや早く展開し、全体緑色、縦の白筋があり、筒部の口辺部は狭く開出する。舷部は卵形〜広卵形で、基部がやや横に張り出し、鋭頭、縁は時に紫色を帯びる。付属体は淡緑色、棒状で、直立する。花期は4〜5月。静岡、長野、岐阜、山梨、兵庫県及び中国地方に分布する。


〜徒然想〜

ウメガシマテンナンショウの解説を読み込んでいると、ホソバテンナンショウとの違いが分からなくなりました。
「日本産テンナンショウ属図鑑」(邑田仁ら,北隆館,2018年)には、ウメガシマテンナンショウは鞘状葉、偽茎部、葉柄部が明るい淡褐色で赤みを帯びた紫褐色の斑があり、また花序付属体がより太いことで区別できるとあります。仏炎苞舷部の縁は時に紫色を帯びるとあります。
この違いに照らし合わせると、ホソバテンナンショウとしていた画像のいくつかは、ウメガシマテンナンショウに近いのではないかと考え直し、この名でアップしましたが確信できるものではありません。
両者の画像は、一部同日に撮影されたものがあります。しかし、撮影時間は1時間ほどの差があります。富士山麓の静岡県側を移動して撮影したのです。その1時間の差で両者が区別された結果になったのは、面白いと思いました。

なお、ホソバテンナンショウに似た種としてミヤマテンナンショウやスルガテンナンショウの名が挙げられており、舷部内面の乳状突起も同定のポイントになるということです。そこまで観察していないです。難しい仲間です。

−同じ科の植物−

 2015.5.2 山梨県    2015.5.2 山梨県
 
2012.5.20 静岡県富士山麓      2012.5.20 静岡県富士山麓