フガクヤシャビシャク

ユキノシタ科 スグリ属

 
2022.5.25 静岡県   2022.5.25 静岡県

〜徒然想〜

苔生した奥深い森で、ヤシャビシャクが目線の高さで見られ、マツノハマンネングサと混生しています。両者とも樹幹の高みに咲く花で、撮影には苦労させられてきました。あるところにはあるものと、目線で見られることに感動したものです。

数年後、フガクヤシャビシャクの名を教えられ、花期に確認に出かけました。先のものは、やはり、フガクでした。
調べてみました。フガクヤシャビシャクは、2022年に京大院・阪口翔太氏らにより
日本植物分類学会の英文誌(Acta Phytotax. Geobot. 73 (1): 49?56 (2022))に新種記載されました。
ヤシャビシャク(括弧内)との違いは以下のとおりと、知りました。
・萼片が赤味を帯びる(淡緑色)
・葉柄に長い腺毛を生じる(無毛もしくは短毛)
・枝に棘が出る(棘がない)
・葉の切れ込みが深く、葉質は薄い(切れ込みが浅く、葉は厚い)

上記英文誌は専門英語が多く素人には読み難いので、以下が参考になります。
森林遺伝育種学会 第 10 回大会講演要旨集 開催日 2021 11 5 () 「富士山で発見された新種樹木フガクヤシャビシャク:その種特性と遺伝的特徴 」阪口翔太(京大院・人環)・大石満(静岡市)・橋大樹・廣田峻・松尾歩・陶山佳久(東北大院・農)・ 山下由美(科博)ら(ネットより)
ここにあるように、フガクは苔むした落葉樹の樹幹に着生し、ヤシャビシャクとは棲み分けがされているようです。花期は4〜5月でしょう。分布は不詳で、阪口氏らが調査中です。

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