コハコベ
ナデシコ科 ハコベ属

 
2010.4.11 東京都高尾   2019.4.8 熊本県


山野の道端、草地、河川敷など日本全土に生える1〜2年草で、高さは10〜20センチ。茎は下部でよく分枝して広がり、紫褐色を帯び(ときに緑色)、片側に1列軟毛がある。葉は対生し、広卵形〜長卵形、先は鋭尖頭〜鋭頭、基部は円形で全縁。質は柔らかく、両面とも無毛。下部のものは長柄があるが上部のものは無柄
花は集散花序に付き、白色で直径6ミリほど。花弁は5枚で萼より短く、2深裂する。雄しべは(1〜)2〜5(〜8)個で葯は黄色、花柱は3個。萼片は5枚で長楕円形、長さ3〜5ミリ、鈍頭で背面には毛がある。果実(刮ハ)は長楕円形、種子は腎円形で、直径1〜1.3ミリ、低い半球状の突起がある。花期は3〜9月。

〜徒然想〜

ミドリハコベと共にハコベと称されることがあります。両者はよく似ていて、コハコベは茎が紫褐色を帯びる、雄しべの数が少ない(ミドリハコベは4〜10個)、葯は黄色(ミドリハコベは暗紫褐色)などの違いがあります。
ただ、茎が緑色のコハコベもあり、雄しべの数は重なりがあり、これだけで区別するのは困難です。

決定的な違いは種子で、いずれも突起がありますが、コハコベは低く、ミドリハコベは長い円柱状です。
コハコベ又はミドリハコベの種子を採取して撮影してみましたが、これが長い円柱状に当たるかは確信がありません。両者のいくつかの個体を比べてみる必要があります。

−同じ科の植物−

 2023.1.13 東京都狛江市   2023.1.13 東京都狛江市  
 
 2023.1.17 東京都狛江市    2023.1.17 東京都狛江市
 
 2023.1.13 東京都狛江市    2023.1.13 東京都狛江市
種子いろいろ
突起の無いもの 突起の高低に差があり、ミドリハコベのものと思われるものもある
白いものは未熟の種子  2023.1.17 東京都狛江市