山地の樹幹などに着生する多年草で、高さは5〜10センチ。細い茎が樹幹を這い、分枝してマット状に広がる。葉はやや疎らに2列に互生し、楕円形〜卵状楕円形、先は鋭頭、質は革質で厚く、中肋がやや窪み、普通暗紫色の斑点がある。
花は腋生の細い花序に1〜6個集まって付く。萼片と側花弁は楕円形で開出し、黄緑色で中心にかけて紫紅色の斑紋が入り、長さ2.5〜3.5ミリ。唇弁は円柱形、白色で上唇の中央部に黄色の斑紋が入り、短毛が密生する。唇弁の基部から後方に伸びる距は長さ3〜4ミリ。宮城県以南、四国、宮崎県に分布する。
〜徒然想〜
この花とは、不運な出逢いになってしまいました。
自宅から自生地まで350キロほどありますが、見たい花があれば苦になる距離ではありません。しかし、花は・・・、花は終わっていました。
太い樹幹にびっしりと花が着いています。残り花でもないかと何度も見渡しますが、すべてが赤茶けて萼片、側花弁は萎れています。残念!
翌年、満を持して再訪します。でも、これまたがっかりです。あれほどあった花が、数個しかありません。
この年は裏年に当たったと、地主の方の説明です。来年花が咲いたら知らせるよと約束いただいたものの、連絡はありませんでした。
後に知ったことですが、その後この樹幹のものは衰退し、枯れてしまったとのことでした。復活することを祈ります。(近年、花仲間のHPにはわずかながら小さな葉が復活していたとあります)
2025年9月記
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