テンナンショウ属植物の雄花雌花について


テンナンショウ属植物には雄花と雌花(又は両性花)があります。
外見上は、
仏炎苞筒部の最下部に小さな穴が有るか無いかで見分けます。仏炎苞の中は雄花には雄しべだけがあり、雌花にはトウモロコシの実のように雌しべが付きます。
虫媒花のテンナンショウ属植物は、キノコバエなどのポリネーターが花粉交配を仲介します。雄花の仏炎苞の中の入り込んだ虫は花粉を付けて下の小さな穴から脱出しますが、次いで雌花に入り込んだ虫は脱出口がないので、中で行ったり来たりして受粉します。

ときに雄花雌花が性転換するという表現が使われますが、これは「雄花が雌花に変わる、雌花が雄花に変わる」ということではなく、地下にある球茎の大きさによって、出る花が変わるということで、実験の結果が報告されています。
つまり、球茎が小さいと花が咲かず葉のみが出ます。
球茎は年々大きくなり、ある程度になると偽茎を出して雄花を付けます。
さらに大きくなると雌花を付けるようになります。
また、地上部が傷つくなど、何らかの原因で球茎が小さくなると、翌年の花は雄花に逆戻りします。

画像は一部を除いてミミガタテンナンショウ

雌花 雄花
 
2024.4.6 神奈川県 2007.4.8 東京都高尾山
 
 2024.4.8 東京都八王子市    2007.4.8 東京都高尾山
虫が入る様子 いずれも雌花?  
 
 2024.4.8 東京都八王子市    ナガバマムシグサ 2024.4.16 伊豆半島