ヤマクルマバナ

シソ科 トウバナ属 
   APG分類ではクルマバナ属
 
2025.8.9 静岡県熱海市   2025.8.9 静岡県熱海市
高さは40センチほど、草体は萎れかけていて他の草に寄りかかっていました
花の画像は開いていた唯一の花で、花弁には毛が見られます
   


山地の林縁、草地などやや暗く湿った場所に生える多年草で、高さは20〜80センチ。茎は基部で斜上するか少し這い、四角形で無毛か稜角上に毛がある。葉は葉柄があり対生し、卵形〜円形、先は鈍頭、基部は円形、縁に鈍い鋸歯がある。
花は輪散花序となって多数付き、唇形で淡紅紫色、長さ6〜8ミリ、下唇の中央裂片は幅より長さが短い。萼は筒状で萼歯は5個、上側は浅く3裂、下側は2裂し細く尖る。小苞は線形で萼より短い。萼や小苞、花序軸に腺毛がある。雄しべは4個、下側の2個は少し長い。花期は8〜9月。北海道〜九州に分布する。

〜徒然想〜

この仲間は似たものが多く、花、萼、小苞、花序軸などをよく観察することが必要です。
本種はオキナワクルマバナを母種とし、クルマバナと同列の変種になります。
オキナワクルマバナとは全体に毛が少なく、小苞が萼より短いことが異なります。
クルマバナとは花が小さく、萼、小苞、花序軸に腺毛があることで区別され、イヌトウバナとは萼の毛が少ないことや小苞の形状が針状であることで区別されます。
ヤマトウバナとも似ていますが、こちらは花が白色に近く、萼の毛はまばらな短毛です。

−同じ科の植物−


 2025.8.9 静岡県熱海市   2025.8.9 静岡県熱海市  
 葉軸部分は四角稜がより顕著で、稜上、茎、葉柄には曲がった毛がありました
小苞は線形で萼筒より短く、小苞、萼筒、萼歯には開出毛がありました 
萼筒には短い腺毛がありましたが、写真ではよく撮れていません
  
 
 2025.8.9 静岡県熱海市    2025.8.9 静岡県熱海市
葉は卵形で、葉柄は花冠より長いものがありました
両面に毛があり、縁や裏面脈上に曲がった毛がありました