ムラサキ

ムラサキ科 ムラサキ属


丘陵や山地の明るい草原に生育する多年草で、高さ40〜70センチ。葉は互生し、葉柄はなく狭披針形で、長さ3〜7センチ、全体に荒い毛がある。
花冠は白色で平開、5裂し、丸みがある。直径8〜10ミリほどで、背丈や葉の大きさのわりには花は小さい。花期は6〜7月。北海道〜九州に分布する。


〜徒然想〜

紫は昔から高貴な色とされており、ムラサキの根は「紫染め」の染料として大変貴重でした。武蔵野は、古今和歌集にも謡われているようにムラサキの大産地で、「紫染め」の産業が興るほどでした。その後、紫染めの衰退とともにムラサキも武蔵野から消えてしまいました。昭和30年代に高尾山で1株見つかると新聞のニュースになったほどで、すっかり幻の植物になっています。

縁あって、山梨県でこの植物を見る機会に恵まれました。狭いながらも、昔の武蔵野はこんな姿がずーっと広がっていたのでしょうか。
そんな風情を想像してしまう明るい草原です。
風で葉がこすれる音がサワサワと聞こえてきそうです。


−同じ科の植物−

2011.7.8  山梨県 ムラサキの根は「紫根(しこん)」として日本薬局方に収載されているが、現在は中国等からの輸入品で、国内生産量はゼロということである。
消炎、解熱、解毒の効があり内服されるほか、紫雲蒼(花岡青州の創意による処方)に配合されて火傷、湿疹、痔などに外用される。
                   2011.7.8  山梨県              2011.7.8  山梨県
     
 2005.5.8 東京都調布野草園    2005.5.8 東京都調布野草園

   2005.5.8 東京都調布野草園