センブリ

リンドウ科 センブリ属

ムラサキセンブリを撮影していると、犬の散歩の婦人が近づいてきた。“花の写真ですか!”、 “ええ、ムラサキセンブリとセンブリを探しています!”
30年ほど前からここに住んでいる方で、その頃は一面にセンブリが生え、竹籠を背負って採取に来ていた人が多かったそうです。薬にしていたのでしょう。
今では探し出すのも大変で、地肌が出ているような所に生えていると、親切に咲いている場所を教えて頂いた婦人に頭を下げた。

陽当たりのよい草地に生える2年草で、高さは20〜25センチになる。小県群では5センチほどで、清里では最大15センチほどでした。葉は対生で細い線形。花は直径2センチほどで、深く5裂して離弁花のように見える。裂片は白色で薄い紫色の筋がある。
薄い紫色の筋が無いものをシロセンブリと呼び、区別することがあるようです(上州花狂いの植物散歩)。小県群の多くは紫色の筋が無く、清里は筋がありました。写真をみると、小県群の種は茎葉が濃紫色で、清里の種は緑です。
薬に関わる仕事に従事している者としては、是非ともセンブリはページに加えたかった。情報を頂いた上州花狂いさんにお礼を申し上げる。
2006.10.1 長野県小県郡
漢字には千振の字をあてるが、生薬名は当薬(とうやく)です。当薬は、「当(まさ)に薬」の意味で、よく効くことをいっています。千振は、千回振り出してもまだ苦みが残る意味で、振り出すとは煎じることをいいます(お茶の1番煎じ、2番煎じと同義)。

生薬としては、開花期に全草を採取し、日陰に吊るして乾燥させたものを用います。薬能は、@苦味健胃(胃病、胃酸過多、胃けいれん、二日酔、消化不良)、A腸カタル、下痢、B便秘、虫下し、感冒、C月経困難、D胎毒、じんましん、G洗顔、毛ジラミ駆除、しもやけ、発毛等、幅広く報告されています。センブリの栽培は大変難しいとされていたが、現在日本では長野県で栽培が盛んです。
ムラサキセンブリは、背丈は大きいが苦みが乏しく、日本薬局方では採用していません。イヌセンブリは、粗大で、ほとんど苦みがありません。
2006.10.1 長野県小県郡 (画像にポインターをおいて下さい) 2006.10.1 山梨県清里高原(画像にポインターをおいて下さい)
センブリの花弁はふつう5枚。4弁は珍しいと思ったが、そうでもないようです。6弁の報告もあります。下記の写真には4弁花がみられます。
      
2006.11.6 茨城県高萩市 2006.10.22 神奈川県箱根
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