イブキトラノオ

タデ科 イブキトラノオ属

2003.7.27 長野県車山     2003.7.27 長野県車山


高原〜高山の日当たりのいい草地などに生える多年草で、高さは50〜120センチ。茎は直立し、分枝しない。根出葉は、卵状長楕円形〜披針形で、先は鋭形、基部はくさび形〜心形で葉柄に沿って流れ翼になる。茎葉は小さく葉柄はないかあっても短い。
花は茎の先に長さ6センチほどの円柱状総状花序に小さな花を多数付ける。花被片は長さ3〜4ミリで、白色〜淡紅紫色で5深裂する。花期は6〜9月。北海道〜九州に分布する。

〜徒然想〜

初期の頃から好きになっている花です。すくっと、穂を伸ばして風に揺れる様は、高原に来たことを実感させます。
二つ並んだ穂が、風に揺られて離れたり、寄り添ったり。思わず、寄り添ったショットを撮ってしまいました。
北岳ではかなり高地でもみられ、風裏にできた草原では、多くの株がそよりと風に揺れていました。苦しい急坂を登り切ってようやくたどり着いただけに、何とも清々しいイブキトラノオでした。
薬草の山としても知られる伊吹山に由来する和名です。根茎の生薬名は拳参(けんじん)といいます。解毒、消腫、収斂薬として下痢止に用います。鎮咳、抗菌、抗腫瘍などの薬理報告もあります。
本州北部〜北海道には、背が高く、根生葉の幅が広く、花穂が太い又は長いエゾイブキトラノオがあります。

−同じ科の植物−

   2006.8.11 山梨県北岳  
 2007.7.15 長野県車山    2007.7.15 長野県車山
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