キエビネ

ラン科 エビネ属

 

2019.5.1 山口県    2019.5.1 山口県 

暖地落葉樹林下などに生える多年草で、花茎の高さは50センチほど。葉は2〜3枚を束生し、幅広の長楕円形。
花はエビネに似て、花色は黄色、唇弁の中裂片が2裂しない点が異なる。花期は4〜5月。エビネよりも遅い。本州紀伊半島以西、四国、九州などに分布する。

〜徒然想〜
絶滅危惧種の上位にランクされているように、なかなか自生種には巡り会えません。
島根のKさんの裏山のキエビネが、ごっそり盗掘にあい、全国の花仲間から惜しむ声が寄せられました。また1つ自生の地が消えたと思うと、悔しいですね。復活することを祈ります。わずかに残ったキエビネを撮影させてもらいました。

2019年は、群生地を目指して、山口県の産地を探しました。しかし、何とか群生地にはたどり着いたものの、残念ながらまだ蕾でした。その代わり、他の産地で幸運にも盛期の花に出逢うことができました。
暗い山林に凜として咲く黄色は、やはり素晴らしいです。林に溶け込むように、穏やかな気持ちで撮影させてもらいました。植物園での撮影画像は、すべて自生地のものと差し替えました。


なお、「日本の野生植物」(平凡社 1986年初版第15)には、「本来キエビネは西日本に発達した明瞭な種であり、エビネが西日本に分布圏が及び進入交雑が起こり、本来のキエビネが純粋ではなくなっている。」云々、という記載がありました。どう純粋ではないのか事情が気になっていましたが、「日本の野生植物」(平凡社 2015年改訂新版)では削除されていました。

−同じ科の植物−


2008.5.11 島根県 
2019.5.1 山口県  2019.5.1 山口県 
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