キツリフネ

ツリフネソウ科 ツリフネソウ属

 
2006.7.22 長野県八ヶ岳   2006.8.11 山梨県


山地の湿った林下、林縁などに生える1年草で、高さは40〜80センチ。葉は互生し、卵形〜長楕円形、先は鈍く、基部は鋭形、縁には粗い鈍鋸歯がある。
花序は葉腋から下垂し、総状花序に1〜5花付く。花は黄色で長さ3〜4センチ、花弁は5枚で、両側の2枚がそれぞれ合着し、上側の小さい花1枚と合わせ3枚に見える。合着した2枚は唇弁状となり、内面に赤褐色の斑点がある。萼片は3枚で、1枚は筒状になって次第に細くなり距となり、巻かずに垂れる。果実は刮ハで紡錘形、長さ1.5〜2センチ。花期は7〜9月。北海道〜九州に分布する。

〜徒然想〜

ツリフネソウに似た形をした黄色い花で、キツリフネの名が付きました。至極当たり前の名です、
一本の花茎にぶら下がり、ぶらぶらと揺れています。虫たちを誘っているのかもしれません。ツリフネソウと同じく、花の後ろにある尖ったところ(距:きょ)に蜜を蓄えます。この蜜を戴こうと虫が潜り込み受粉します。
私の撮影フィールドの奥多摩や高尾近辺ではツリフネソウに出逢うことは多いですが、キツリフネに出逢ったことはありません。
のちにこれは間違いで、奥多摩や高尾近辺でも出逢うようになりました。東京多摩近郊の丘陵地の林内でもよく見られます。

−同じ科の植物−

2006.8.11 山梨県
   2006.8.27 東京都高尾山  
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