コウライテンナンショウ

サトイモ科 テンナンショウ属

低地〜低山の林内などに生える多年草で、高さは30〜100センチ。鞘状葉や偽茎部の斑は目立たない。葉は通常2個付き、小葉は9〜17枚。小葉は披針形〜狭楕円形で、通常全縁。花序柄は葉柄部 とほぼ同長又は長い。
仏炎苞は緑色で、舷部から筒部にかけて数本の白条がある。舷部は卵形〜狭卵形で、しばしばドーム状に盛り上がり、白筋が広がって半透明となり、鋭頭〜鋭尖頭、内面に隆起する細脈がある。付属体は淡緑色〜淡黄色、細棒状、直立又は上部でやや前に曲がる。花期は5〜6月。本州近畿地方以北〜北海道に分布する。

〜徒然想〜

北海道では、公園といえども自然状態の所が多く、本州では山地に入らないと見られないコケイラントケンランなどが当たり前に生えています。
ベニバナヤマシャクヤクもこの公園内で見られたということで探しましたが、残念ながらみつかりませんでした。

本画像はこの公園林内で撮影したものですが、マムシグサにしてはちょっと細身で、マムシグサとは違うかなと感じ撮影しておいたものです。
調べると、北海道ではコウライテンナンショウと呼ばれるマムシグサの一型があるようです。広義のマムシグサに含むとする考え方もあります。
せっかく、ちょっとマムシグサとは違うかなと感じたので、本種の名をアップすることにしました。
2013.6.9 北海道

上記においても、マムシグサの名に混乱があります。「広義のマムシグサ」の考えがあったからで、マムシグサの名を広く捉えていました。
現在進行形とは思いますが、次第にこの仲間は整理されつつあります。
マムシグサは四国と九州に分布する独立種とされ、本州、四国、九州北部に分布するカントウマムシグサとは区別されています。

コウライテンナンショウは、仏炎苞の筒部が細長く、緑色、白条が目立つものと認識していましたが、単純ではないようです。
北方に産し、仏炎苞の舷部が盛り上がるキタマムシグサの名が提案されたり、地域的に形態等が異なるものをウメガシマテンナンショウに含めたりと、議論が進められているようです。経過を見つめたいと思います。
なお、収載の画像は舷部が盛り上がり、上記でいえばキタマムシグサに相当するタイプです。


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