シハイスミレ
コンピラスミレ

スミレ科 ミヤマスミレ類

 
2011.4.16 京都府   2019.4.28 滋賀県

西日本の平地から山地で多く見られる多年草で、高さは3〜8センチ。葉はやや斜め上に葉を伸ばす傾向があり、長卵形〜披針形で、裏面は紫色を帯びる。
花はやや小さめで直径1.5センチほど、淡紅紫色〜濃紅紫色。側弁は通常無毛。花期は3月下旬〜5月。関東地方以西〜九州に分布する。

〜徒然想〜

<愛知県>この地でシハイスミレといわれたものは、葉が長く、葉裏が緑色でした。中には葉がほとんど直立し、マキノスミレではないかと思われ、画像の収載ははばかられました。

<岐阜県>前年に岐阜県でフイリシハイスミレを見る機会がありましたが、こちらは葉に白い斑が入るばかりでなく、葉が濃い緑で厚みがあり、前者とはずいぶんと様子が違います。

<静岡県>これに似た葉が、再び目の前にあります。葉が濃い緑で厚みがあり、光沢さえあります。裏面は紫色を帯びています。白い斑が入っているように見えますが、岐阜県のフイリシハイスミレほどでもありません。

<京都府>そして京都府の奥地。今までみた中では最も花色が濃く鮮やかなシハイスミレがありました。気品があり美しい。
傍らには葉が黒くなったハグロシハイスミレ(俗称)や葉脈の中央部にだけ白い斑が入るコンピラスミレと呼ばれてもいい品種もみられました。

シハイスミレは難しいです。まだまだいろいろなタイプを見て、整理をする必要がありそうです。

西日本にはシハイスミレが、東日本にはマキノスミレが分布すると、大まかには言われています。しかし、西日本でも葉がややや細身で立ち上がりマキノスミレと思われる個体が見られます。また、東日本においてもシハイスミレと見紛うような個体が見られます。混在しているのではないかと思われる場にも遭遇します。
「日本のスミレ」(いがりまさし著)によれば、どちらともいえないような個体は、シハイスミレとしてもマキノスミレとしても、間違いではない。どちらともいえないような集団が存在している認識が大切だとされています。

−同じ科の植物−
 
 2019.4.28 滋賀県    2019.4.28 滋賀県
コンピラスミレ 2011.4.16 京都府 
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2010.4.10 静岡県
   
 
フイリシハイスミレ 2009.4.11 岐阜県 
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  ハグロシハイスミレ 2011.4.16 京都府 
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