フジレイジンソウ
シロバナフジレイジンソウ
キンポウゲ科 トリカブト属

 
2020.9.16 東京都奥高尾   2020.9.30 東京都奥高尾


〜徒然想〜


フジレイジンソウの同定にあたっては、ずいぶん惑わされてしまいました。幾つかみつけたネット情報で、アズマレイジンソウの花茎には曲がった毛があり、フジレイジンソウには開出毛があるとされ、両者の違いと記されていました。
しかしながら、フジレイジンソウの産地とされている地でそれらしき花を見ましたが、花茎には開出毛は見られません。
そのことで、高尾山に詳しい方に伺ったところ、とんだ誤解を生む文章で伝わってしまいました。貴重な時間を使わせてしまい、この場で、改めてお詫びいたします。

フジレイジンソウの花茎に開出毛があるのとするのは、謝りのようです。「高尾山の草と木の図鑑」(菱山忠三郎著)では、フジレイジンソウは “レイジンソウと比べて茎に稜があること、がく片の外側に直毛があるなどの特徴がある“、とされています。花柄の毛については、記述がありません。
ネット情報に惑わされて、開出毛のあるフジレイジンソウをずいぶん探し、余分な時を使ってしまいました。
一方で、自身のネットへの記載には注意を払う戒めになりました。

フジレイジンソウの産地とされる地を幾つか巡りました。茎の下部には四稜があることを確認しました。萼片には開出毛が目立ちますが、伏毛も見られます。開出毛の多少には差があります。そして、花茎については、開出毛があるものは見られませんでした。
花茎は、いずれの地でも伏毛でした。産地により伏毛の多少があり、ある地では圧巻でした。びっしりと伏せった毛で覆われています。

−同じ科の植物−

     
2020.9.28 東京都奥高尾 2020.9.28 東京都奥高尾
     
 2020.9.30 東京都奥高尾    2020.9.16 東京都奥高尾

一部の地で、フジレイジンソウの白花と思われる花に出逢いました。シロバナフジレイジンソウとするには、ほんの僅かながら桃色を帯びています。
茎の四稜と萼片の開出毛を確認しましたので、フジレイジンソウに相違ありません。ただ、萼片の開出毛は少なめです。花茎は伏毛です。
トリカブト属には、ときに白花が見られることがあります。しかしながら、フジレイジンソウの白花については先達者の報告が見られず、僅かながら桃色を帯びていますのでシロバナフジレイジンソウとすることは保留し、括弧書としておきます。いずれ知識のある方に意見を伺います。

翌年、桃色を帯びないフジレイジンソウをみつけました。アップで撮り損なったので心許ないのですが、白花品があることが分かりました。

2020.9.28 東京都奥高尾
 2020.9.28 東京都奥高尾    2020.9.28 東京都奥高尾
 
 2021.9.28 東京都奥高尾    2021.9.28 東京都奥高尾
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