北海道から九州まで広く分布し、山地や雑木林に自生する多年草で、高さ30〜50センチ。葉は5〜8個付き、狭楕円形〜卵状披針形、先は鋭尖頭、基部は茎を抱き、裏面や縁に短毛(乳頭状突起)がある。
茎頂に白色の花を数個付ける。花は半開し上を向く。苞は線形、下部の1〜2個は特に長い。萼片は披針形で鋭頭、長さ11〜12ミリ、側花弁は披針形、萼片より幅が広い。唇弁の舷部は3裂し、中裂片は心形で、内面に淡黄色の隆起線があり、基部は筒状の距となり、短く後方に突出する。花期は5〜6月。
〜徒然想〜
前日からの雨があがりましたが、まだ空は低い雲に覆われています。どんな花がみつかるか期待に胸ふくらませ、いつも以上にゆっくりと山に入ります。
まもなく見つけたササバギンラン〜季節を変えて何度も通っている道ですが、こんな所で見るのは初めてです。
撮影していると、追いついたご夫婦が声をかけてきました。いつものとおりの出逢いの会話。“いい天気になりましたねー!”、“えっ!”と私。いつの間にか、空はすっかり青空になっていました。足下ばかり見ていたので気が付かないのです。思わず苦笑いのときでした。
葉は細長く笹の葉に似ることからこの名が付いています。ギンランとの違いは、背丈が高いこと、葉が大きいこと、最下の苞が花柄よりずっと長いことで見分けることができます。
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